2003年10月、栗子国際スキー場・クアドームDUO・ホテルバレーブランシェなどを経営する板谷観光開発が
自己破産を申請した。昭和41年(1966)の会社設立から37年、DUO開業の平成5年(1993)から10年。
ひときわ厳しい栗子峠の冬に真夏の夢を持ち込んだ試みが実りを結ぶことはなかった。
ほぼ同時期に開業し、同等のコンセプトを持った岩手県のけんじワールドは未だに勢い衰えず快調な集客力を
見せている。両者の違いはいったい何だったのだろう。
板谷観光では何故か栗子を「CRICO」と表記する
DUO入り口
巨大なウィンドウに巨大なイラスト
すぐ裏手には栗子国際スキー場
初級者には斜面が厳しすぎるとの評判もあり、あまり家族連れには向かないスキー場だったようだ。
内部の様子<パンフレットより>
今は誰もいないロビー
栗子峠の冬は想像以上に厳しく、吹雪に巻かれ、車が前進できなくなることもしばしばである。
雪山慣れした、腕に覚えのあるドライバーならいざ知らず、一般の家族連れが冬季に出かけるには
ちょっとした覚悟が必要となる。建物に入ってしまえば常夏とはいえ、たどり着くまでの不安をぬぐい去る
ことはできなかった。さりとて冬の厳しさが無い時期にはここまで水浴びにくる必要もないように思われる。
冬と夏、双方を両取りしようとしたDUO(2つのもの)の命名も結局はどっちつかずとなり、開業の
翌年の平成6年(1994)には経営が赤字に転落していた。施設の充実度を考えれば大人2500円の
入場料も決して高くはなかったと思えるのだが、県境という位置上、福島、山形どちらからも中途半端に
遠いことが集客につながらない遠因とも思えた。
栗子クアドームDUO 1993−2003
その後のDUO 取り壊しの様子の画像を送っていただきました。
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