旧大野目交差点
平成16年度に着手された大野目交差点立体化工事は、交通渋滞の緩和と事故回避をおもな目的として行われた。
当初81億円であった建設予算は結局104億円まで膨らみ、交差点は300m南に移動した。
以前山寺に右折で行けた旧交差点は右折禁止となり事実上交差点の機能は無くなった。
新交差点は平成25年度完成、供用開始となった。
ところが高架上の交通が実現していない段階で高架下となった側の道の渋滞は大幅に待ち時間が増えた。
特に嶋方面から来て南に向かう場合の右折レーンは時間帯によっては2回の信号待ちでも越えられない場合が
あるほどで、右折指示時間の長さが交通量に合っていないのではないかとさえ思える。
旧交差点付近には緑が多く、鈴川方面の通りが改修された際の看板がその中に埋もれて建っていた。
同時に交差する野呂川橋も更新された。川の付近ということもあったためか、地盤が当初予想より軟弱で
改良工事が必要となり追加の地盤工事が施されて23億円の工事費増となった。高架橋は当初より50m延長の設計に変更されている。
以前はあらゆる方向に行ける拠点ということもあって、現ヤマダ電機の場所には山形交通
大野目営業所があり、各地にバスを派遣していた。しかし、今では天童方面からの車がヤマダ電機に到達するのが
困難な路線形に変わってしまい、売り上げにも影響が出るのではないかと懸念される。
山形交通バスの拠点であったとすればさらにその影響は大であっただろう。
立体化の設計と既存店舗の利便性の両立は結構困難で、交差点周辺の商業地としての価値は
低減する場合が多いが、改修後の交差点付近にはニトリがあえて出店した。
タイヤショップなど、旧交差点を囲む店舗はヤマダ電機を残して撤退した。
交差点機能を失った道は単なる側道となった。
立体交差の効果はこれから高架が完成すれば本格的に表れるのだろう。各方向指示信号の時間配分も
長期にわたる調整を経れば実態に沿ったものとなるだろう。
旧大野目交差点 (画像は2006年8月)