大正5年に竣功した先々代の山形駅舎は昭和42年までの長期にわたって
山形の顔として機能していた。そのため多くの古写真が現在も残っている。
駅舎の基本的な構造は大きく変更されることはなかったが、細部の意匠の変更、
そして駅周辺の様子の変遷、人々の服装やいでたちの変化がそれぞれの時代を現している。
新築直後と思われる画像
駅前で客を待つのは人力車
自動車時代の到来を見越していたわけではなかったと思われるが、人力車や自転車に頼る
交通事情のわりには駅前広場はゆったりと確保されている。戦争時の出征儀式など、
駅前にこれだけのスペースが必要な事情も他にあったのだろう。
構内の様子
列車の先頭には当然、蒸気機関車が白煙を上げて待機している。
バス乗降
時代が進むと駅前広場にも植栽が見られるようになり、バスをはじめとする
自動車の姿も多くなった。この写真の時代(昭和30年代か)には駅壁面は
グレー、屋根はグリーンになっていたようだ。竣功時の色はよくわからない。
今では山形駅前でスキーを担いでいる人の姿は極端に珍しくなった。
以前は山形駅や蔵王駅の前ですぐ、スキーができると思っている
観光客もいたほどだったが情報化が進み、交通事情が変化したことにより
このような風景が見られることはなくなった。
テレビアニメのサザエさんに登場する御用聞きが三平さんだったころ、
三平さんの故郷山形にサザエさん家族が訪れる場面があった。
三平さんの父が、山形駅まで馬車で迎えに来ていた。