湯野浜温泉を代表する規模と歴史を誇る「亀や」は明治6年(1873)
の創業ということもあり、古くから記録写真に残されていた。
湯野浜温泉全景
初期の経営者は温泉客誘致のためにと、なんと隧道を含む道路開発までおこなった。
明治人の行動力の凄さである。
亀や旅館
廊下 部屋内の様子
庭 浴場の様子
当時の建物、庭は現在の目から見ても豪華で、限られた富裕層が訪れていたことを
物語っている。庄内地方を訪れる皇族の宿としても知られるようになった。
明治当時の建物はないものの、別館竜宮殿は昭和2年の建物である。
宿の他にも地元の人向けに公衆浴場が用意されている。
建物の上屋に洒落た塔を設えるなど、当時の人々のセンスの良さと
心の余裕が伺える。現在に遺して欲しかったデザインである。
公衆浴場
湯野浜駅
湯野浜に駅というと「どうして?」と疑問を持たれる方もいるだろうが、昭和50年頃までは
鶴岡−湯野浜間には電車が走っていた。今はバス発着所になっている。
温泉街の様子
レジャーランドや植物園までが出来、昭和までは県内1級のリゾート地であった湯野浜も
いつのまにか寂しげな温泉街となった。もう一度日の当たる機会は訪れるだろうか。