スーパー今井 寿町店
かつて山形市を中心に展開していた地域スーパーマーケット「スーパー今井」
個性的な面白い営業をしていて、時に型破りな催しも行っていた。
昭和52年ごろ、山形市にあった寿町店の店頭にクジラを丸一頭持ち込み、
切り売りするというパフォーマンスを行った。商業捕鯨が禁止される以前のことであり
一頭丸ごとの仕入れ価格が果たしていくらになっていたのかは不明であるが、
どう見ても採算の取れる催しではなかったように思う。

クジラは店舗南側に道路と並行して置かれ、タイヤのような独特の質感を持つ表皮と
その圧倒的な巨体が尋常ならざる雰囲気を演出していた。

朝には生きているかのような目をしていたクジラも切り売りされているうちに
怪しげな存在となり、夕刻にはあたりに強烈な生臭さを放ち、血潮のような液体で
店頭を染めるようになった。店の目論見通りの完売にはならず、せいぜい
背中から尾にかけての上部4分の1ほどが切り取られたに過ぎなかった。


店頭に立ち込める臭いのこともあり、さすがに翌日に継続販売されることはなかった。
夜中のうちにどこかに搬出されたクジラの行く末は知る由もない。
そのような豪快な経営のスーパー今井は収益的な失敗もあったのか、
やがて昭和56年、ほぼ全店舗をヤマザワに譲渡し、山形から姿を消した。
寿町店は現在、セレモニーホール山形となっている。
動画もどうぞ
↓
当時の記録画像はなく、AI作成のイメージです。