ウキウキ新大陸
(西バイパス沿い)
ファミリーコンピューターの登場以来、数多く存在していたゲームショップは2000年代初期には
隆盛を極めたが、一般にスマートフォンが普及し携帯ゲームが主流になってくると先行きに陰りが見え始めるようになった。
ゲームと同時に扱っていたビデオ、DVDも同様にオンライン視聴が行われるようになり、堅調な収益は望めないようになった。
古くはゲームカセット、その後はゲームディスクの販売を生業にしてきたゲームショップは
子供がゲーム離れを起こさない限りは半永久的に安泰な業態であると思われてきた。
ゲーム人口は増える一方で、子供時代にゲームに親しんだ者は大人になっても習慣となる例が多かった。
大人から子供まで暇さえあればゲームに没頭する世の中になっているのにも関わらずゲームショップは
衰退した。買い切りのゲームソフトから通信によるオンラインでの遊興に比重が移ったためである。
場合によっては課金制度により大金を注ぎ込むようなことになっても、オンラインでの他者との
つながりへの重視からやめられない、抜けられない状態になる。結果、オンラインゲーム会社は
毎日多数のテレビCMを流せるほどの資金を稼ぎ、勢力を広げていった。
かつて本当に「ウキウキ」の対象であったこの店舗も時代に波に翻弄され、経営母体の㈱山形レジャー企画は
平成二十六年六月、経営を諦め破産手続きを開始するに至った。減益は急速なものだったという。
この店の盛衰を見ると、いま隆盛を極めている業種がほんの近い将来どうなるかさえわからないという
ことがわかる。ゲームカートリッジ、CD、DVD、トレーディングカードなど取り扱い商品がほぼ同時に悉く
斜陽になってしまうことだって起きうるという実例であった。
ウキウキ新大陸 平成二十六年閉店