とりでん桜田店
牛角のトリバージョンとして生まれた「とりでん」。しかし相次ぐ狂牛病問題、
トリインフルエンザ....。牛角をはじめとする焼き肉屋、牛丼屋などは
豚肉の導入でなんとか乗り切っていたが、鶏肉屋ではそれもできず苦戦した。
夕方からの営業だった
軒上に巣箱が並んでいた
看板
卵のディスプレイ
レトロ風の室内
2006.1月末 閉店
若い人にはフライドチキン、唐揚げなどで鶏肉は高人気であるが、中年以上の人の中には
意外にトリを苦手とする人が多い。それらの人の話を聞くと、子どもの頃に鶏を絞める場面を
見た、という場合がほとんどだった。昔は来客があると飼っている鶏を小屋から出し、首を切って
羽根をむしる、などということが当たり前のようにおこなわれていた。子どもは好奇心が強いため
その作業を始めから終わりまで見ていたのだろう。鶏の皮のボツボツが、むしった羽根のあとで
あることを目の当たりにしてしまうと、それ以降鶏肉が食べられなくなったというのである。
トリを食わせるためにはトリ本体を想像させてはいけないのである。
生き物としてではなく、ただ単に食品として肉を見せることが出来なければ
客は離れてしまうであろう。鳥を表す象形文字も巣箱や卵のディスプレイも
あまりに生き物としての鳥を意識させるものであったのではないか。
閉店後も国道から見える電飾看板には点灯したとりでんの看板が見えた。
とりでん 桜田店 2006.1月閉店 5月取り壊し